
輝度の変更後のバックライトの安定化
ディスプレイのバックライトは「アナログ スタイル」の DC モードで動作します。つまり、画面の前
面の輝度が変化するときに LED の電圧が変化します。したがって、1 つの輝度の設定から別の設定に
切り替えると、バックライトが安定するまでに時間がかかります。これはキャリブレーションの精度
に影響することがあります。たとえば、ディスプレイが 250 cd/m²の輝度でウォーム アップされ、100
cd/m²の輝度でキャリブレーションが要求された場合、白色点のキャリブレーションは 2.0 ΔE 2000 ほ
どずれる可能性があります。
バックライトには、新しい輝度レベルで安定するための時間が必要です。PR 740 分光放射計を使用し
て実行した測定では、新しい輝度レベルでの白色点の精度は、
10 分後は 0.002 CIE xy で、15 分後は
0.001 CIE xy になります。最適な結果を得るために、キャリブレーションを行う前に、目的の輝度で
バックライトを安定させることをおすすめします。これを実現するための 1 つの方法は、目的の輝度
で調整し、10 分~15 分待ってから、同じ輝度で再び調整することです。2 回目のキャリブレーション
は、1 回目よりも大幅に正確になります。これと同じ理由で、輝度レベルが大きく異なるプリセット
間で切り替える場合は、色が重要な評価を行う前に少なくとも
10 分待ってください。
ユーザー キャリブレーションの方法
ユーザー キャリブレーションは、キャリブレーション ターゲット(プライマリ、白色点、ガンマ/
EOTF
、および輝度)を指定し、これらのターゲットに対してディスプレイを調整するプロセスです。
ユーザー キャリブレーションには主に 3 つの方法があります。
● 画面上のメニューを使用したキャリブレーション手順
この方法では、キャリブレーションの基本的なオプションを利用できます。標準的な色空間のプ
ライマリおよびガンマ/EOTF が必要な場合のシングル ユーザー キャリブレーションに適してい
ます。既存のキャリブレーションを再調整するオプションも利用可能です。
● StudioCal XML を使用した XML によるキャリブレーション
この方法では、標準キャリブレーションよりもはるかに多くのことを行えるため、最も柔軟性の
あるキャリブレーションが可能です。StudioCal XML の機能には、以下のものが含まれます。
– カスタムのカラー プリセット名の指定
– カスタムのカラー プライマリおよび白色点の指定(CIE xy または CIE u'v'で指定)
– キャリブレーション後のカスタマイズした検証の実行
– 工場出荷時のキャリブレーションのメモリの上書き
– USB フラッシュ ドライブへの調整済みの LUT のアーカイブ
StudioCal XML スキーマは、キャリブレーション以外の追加の機能を提供します。詳しくは、
75 ページの「StudioCal XML スキーマの使用」を参照してください。
● スケジュール設定された自動再キャリブレーション
ユーザーの操作が必要な 2 つの方法に加えて、ユーザーが定義したスケジュールで自動的に再
キャリブレーションするようにディスプレイを設定できます。
メニューを使用したユーザー キャリブレーション
メニューを使用したユーザー キャリブレーション方法で、既存のプリセットを再調整したり、既存の
プリセットに対して新しい設定を指定したりできます。どちらも[キャリブレーション]メニューから
行えます。
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第 3 章 ディスプレイのキャリブレーション
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